カウンセリングの頻度は、抱えている悩みや問題、相談者の環境、カウンセリングに期待するものなどによって異なります。
目安としては、1、2週間に1回程度の頻度でカウンセリングを受けるのが効果的といわれています。
はじめのうちは1、2週間に1回の頻度で受け、カウンセリングが進んでくると1ヶ月に1回程度の頻度に調整していく場合もあります。
頻度はカウンセリングを進める上で大切な要素となりますので、カウンセラーと相談して決めることをおすすめします。
定期的に自分の状態を見直したい方や、心のメンテナンスとしてカウンセリングを活用する方は、数か月に1回や必要だと感じたときに不定期で受けることもできます。
カウンセリングの期間は、抱えている悩みや問題、カウンセリングに期待するもの、頻度、カウンセラーの方針などによって異なり、1回で終わる人から年単位で継続する人まで様々です。
目安としては、2ヶ月~半年程度の期間に数回~十数回のカウンセリングを受けると、気持ちや考え方などに変化が見られるといわれています。
特に、根深い悩みや問題は、これまでの人生で長年にわたってつくられてきた考え方や価値観、行動パターンなどに影響されていることが多いため、年単位の期間で20回以上のカウンセリングを受けると効果が実感できるといいます。
また、カウンセリングで扱った内容を受けて、カウンセリングの時間以外にも考えたり、日常生活で改善に取り組んだりすることでも、カウンセリングの期間は変わってきます。
最初の悩みや問題、目標が数ヶ月で落ち着いた後、別の問題を解決することに意欲的になったり、新たな目標が見つかったりすることで、継続してカウンセリングを受ける人も少なくありません。
自分の中で想定している期間がある場合は、あらかじめカウンセラーに伝えておくとよいでしょう。
カウンセリングは、インテーク面接(初回カウンセリング)→心理アセスメント→継続カウンセリングという流れで行われることが一般的です。それぞれについて解説します。
1.インテーク面接(初回カウンセリング)
初回のカウンセリングは、インテーク面接と呼ばれます。インテーク面接では、悩みや相談したいこと、カウンセリングに期待するもの、相談者の環境や成育歴などについて話を聞くことが一般的です。
このインテーク面接によって、カウンセラーは相談者の状態や相談内容をひとまず把握し、カウンセリングでできることを提案したり、相談の進め方を話し合ったりすることができるようになります。
相談者の状態や相談内容によっては、カウンセリングではなく医療機関やほかの適切な機関を紹介する場合があります。
2.心理アセスメント
インテーク面接後のおよそ3~5回にわたって、さらに詳しく悩みやこれまでの生活、人間関係、今まで取り組んだことなどの様々な話を聞いたり、心理検査を行なったりすることで、カウンセラーはカウンセリングを効率的に進められるよう、相談者の状態をさらに把握することができます。これをアセスメントといい、日本語では評価・判断・査定などと表現されます。
この心理アセスメントによって、カウンセラーは具体的に、相談者が問題解決のために取り組む改善策やカウンセリング方法、心理療法(※)を提案したり、目標やテーマ、カウンセリングの進め方や頻度について話し合ったりすることができます。
※心理療法とは、通常のカウンセリングとやや異なり、カウンセラーが相談者に積極的にはたらきかける、症状や問題の解決に効果的な方法のことで、認知行動療法や精神分析的心理療法などの様々な種類があります。
4~6回程度カウンセリングを受けて、問題が整理されたり、気持ちが楽になったり、取り組む改善策が分かったりしたことで、カウンセリングの利用はいったん終了する人もいます。
一般的には、同じカウンセラーに4~6回程度カウンセリングを受けて、目標や方向が見えなかったり、自分の気持ちや問題に取り組む意欲に「変化していくような手ごたえ」がなかったりする場合は、カウンセラーに進め方を見直してもらったり、相性が合わないと判断してカウンセラーの変更を検討したりするのがよいと考えられています。
また、抱えている悩みや問題、インテーク面接の内容、相談者の意欲や目標の明確さによっては、心理アセスメントに時間がかからず、すぐに次の継続カウンセリングを行える場合があります。
3.継続カウンセリング
心理アセスメント後の継続カウンセリングでは、これまでに話し合って決めた目標やテーマ、改善策、カウンセリングの進め方、心理療法などについて、カウンセラーと一緒に根気よく着実に取り組んでいきます。
継続カウンセリングの終わりは、カウンセリングの終結や卒業と呼ばれることが多いです。
カウンセリングがいつ終わるのかは、抱えている悩みや問題、相談者の状態や意欲によって異なります。
目安としては、悩みや問題が解決したときではなく、自分の力で悩みや問題と向き合い、解決に向けて取り組めるようになったときにカウンセリングの終結を意識するといわれています。それは、これまで悩みや問題、症状の要因になっていた考え方の癖や行動パターン、自分自身についての捉え方などに変化があり、再発のリスクが低く、自分らしい人生を生きられるようになったときでもあります。
カウンセリングの終結は、カウンセラーと話し合って決めることが一般的です。カウンセラーからいったん卒業するような形になりますが、もしもまたカウンセリングが必要になったときには同じカウンセラーに相談したり、卒業後も心のメンテナンスとしてカウンセリングを受けたりすることが可能です。